遺産は基本的に相続順位ごとに相続されますが、遺言書があると変わります。遺言は文字で残すのが原則で、後日の改変が可能なビデオテープや録音テープ、点字などは認められていません。
また、いくら仲の良い夫婦であっても、遺言は共同で作成はできません。個人単位で作成します。
遺言には以下の方法があります。
本人が本文、日付、氏名を自筆で書き、捺印したものです。
用紙は何でもかまいません。
公証人などに依頼せず、一人で作成できるため内容も秘密にできます。ただし、筆跡が乱れていたり、有効性に問題があったり、他者による隠匿や破棄の危険性もあります。以下の点に注意して作成します。
遺言書の存在が秘密のまま、相続の開始時に偽造の疑いをかけられないで本人の遺言だと確定できるのが秘密証書遺言です。
秘密証書遺言は、遺言者自身が公証役場に遺言書を持っていき、遺言者本人が認める遺言書であると公証人に証明してもらうものです。 秘密証書遺言は自筆の署名が必要ですが、文面自体はワープロやパソコンで作成してもかまいません。また、公証役場で公証人に遺言書を証明してもらう時に、利害関係のない成人二人以上を証人として連れていく必要があります。
一番安全で確実な方法が公正証書遺言です。公正証書遺言は、遺言者の希望する内容を法務大臣から任命された公証人が遺言書として作成します。また、原本が公証人の手元に20年間保管されるため、紛失や改竄、盗難などの心配がありません。
公正証書遺言は、本人が公証人役場に出向き、証人2人以上の立会いの上、遺言の内容を話し、公証人が筆記します。
内容の確認をしたら、本人と承認それぞれの署名、捺印を行います。
更に、公正証書遺言の形式に従って作成した旨を公証人が記載し、署名、捺印します。
一番安全な方法ですが、上記のように手続きが面倒なのと、遺言の存在と内容を立ち会った証人に知られてしまうというデメリットがあります。
普通方式による遺言ができない場合、特別に許された方法です。
①死亡の危急に迫った者
②伝染病で隔離された場所にある者
③船舶中にある者
④船舶遭難者
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